クリスマスイブの今夜は恒例のこのアルバムをかけて過ごした。
幼い頃の想い出。幼少のわたしに12月になるとオトーサンが聴かせた。楽しかった記憶。今にして思えば若かった父の顔。アメリカがとっても素敵な国なんだと思っていた頃。
去年まではただの風物詩が、今年はオトーサンはもういないんだ、と痛切に感じて、歌いながらぼろぼろ泣いた。
最近になってときどき寂しさを感じるようになった。まあ、そんなの普通のことだと思うし、少し泣いた方がいい。
そんなわたしだが、
今年は自分へのクリスマスプレゼントにこれを買ってやった!ライブ音源のボックスセット。
藤圭子が好きすぎて。
そう。
今年はいろいろありました、という中のひとつは、確実に藤圭子だ。
突然彼女に「出会って」猛烈に惹きこまれた。このボックスセットの存在はすぐさま知ったのだが、「いや、それ、買うの?あんた、買うの?」とわたしの中の誰かが言ってた。
そしてこの年末にきて「うん、買うよ、買おうじゃないの」とわたしは答えた。
だって好きすぎて。
今思うと、彼女には本当に助けられた。救ってもらったと思う。
オトーサンの病院から帰ると、わたしの魂はほぼ肉体から離脱した状態だった。大げさではなく、抜け殻のようになって帰宅し、何も動けず、わたしがしたことと言えば、
DNが帰ってくるまでの数時間、YouTubeで藤圭子を聴き続ける
というものだった。
当初、非常な嫌悪感を抱いた不幸すぎる歌詞の内容は、ある時から一切どうでもよくなった。ださい演歌のイントロも、定型文のようなコード進行も、一切どうでもよくなった。
ただただ彼女の声だけを、わたしは求めていた。
DNが帰ってこなければ、そのままずっと、何時間でもそうしていただろう。
冷静になって振り返ると、あ、そうか、あれは癒しだったんだ!紛れもない「癒し」だったんだ。。。。
とハッとして、ある研究者のこんな文章をみつけた。ぜひ読んでみて欲しい。
一読して、ぞくっとした。
やばい、そういうことか!と思って超納得できた。この記事はあらゆる意味で、わたしにとってキモだった。
ドキッとしたのは
シャーマンの分類として、脱魂型と憑霊型がよく知られています。脱魂とは、霊魂が身体を離脱することですが、これは特殊なことであって、よほど宗教的な天才でないと起こりません。ダンテの『神曲』で描かれるのは、まさに脱魂して巡った異界のことですが、
のくだりで、
まさにオトーサンは死のプロセスにあたり、「脱魂して巡った異界のこと」をわたしに語ってくれたし、わたしはオトーサンと一緒に魂が身体から抜けそうになって物理的、肉体的に非常に苦しんだ。どう控えめに言っても「地獄の苦しみ」だった(けれどそれは言語で表すことはできない)。
で、この記事はアレだった。
最初に藤圭子の記事を書いた時、ある方からメッセージをいただき、この本を紹介された、まさにその著者の手によるサマリーみたいな記事だった。
その時は買おうという気にならなかったが、早速発注した。
明日ヒコーキの中で読もうと思う。
ちなみにインスタ検索したら、最近藤圭子に注目している人ってのが結構いるっぽい。
「修道通信」にも検索ワード「藤圭子」でずいぶんアクセスがあったのは、「往年のおっさんファン」というより「最近興味を持った人」なんじゃなかろうかと。
多分あの声の魅力にとりつかれてしまった人が、今、増えているのかもしれなくて、モノホン不在の現在、その可能性はかなり大きい。
それでまた、昨日ハッと思いついてしまった。藤圭子と類似した人物。
めちゃくちゃ美人で、歌が上手で、恋愛もなんやかやあって、自分で幕を引いた人物。
ものすごく美しい、この完璧な美しさには必ず決定的な悲しみが含有されていなくてはならず、あれ?そう言えば!と思ったのが、
ダリダだ。
一昨年、パリでダリダの衣装展を見て、わたしは悲しくて悲しくて、泣きそうになってしまったが、それがめっちゃ美しかった件を修道通信に確か書いたと思う。
両者に同じ匂いを感じる。
わたしは「美しくて悲しいもの、儚いもの」がつくづく好きなんだなと再認識した。
もちろんダリダにシャーマン性はない。歌い手として見たら藤圭子は数倍上のクラス、比類なき存在だ。
だって、彼女は「歌そのもの」になってしまうのだもの。
歌が人並みはずれてうまいがために、演歌を歌わされた、もしも彼女が聖歌を歌っていたなら、、、、
日本に生まれたことが悲劇のすべてだった。
と思ったが!
だから彼女はアメリカに行って、ヒカルちゃんを世に出したんだろう、と思ったら、つくづく感動して、泣けた。
やっぱり魂の仕組みってすごい。
藤圭子のことならとにかく何時間でもわたしは語れる(笑)
藤圭子という「人」が好きだ。
春から続いた「藤圭子とは何か」がめっちゃ腹に落ちた気がして気分が良い。
読んでくれてありがとう!
休暇に出る前に語っておきたいことがこれだったWWWWWW
では皆様、良いクリスマスを!