そもそもで言えば、母はもともと、子供の頃からわたしなんかよりはるかに霊感が強かった。
宜保愛子センセイをテレビでよく見かけた時代、宜保センセイより早く「あ〜、あの右側の窓にいるわよ」などと画面を指差して言うような人だった。
実際、宜保センセイは同じ箇所を指摘するわけで、うわ!オカーサンすげえな、と思っていたし、母はそーゆーのに慣れていたから結構それを「怖い」とかではなく笑って面白がっていた。
まーそれもんの話は枚挙にいとまがなく、わたしは「一体それは何なのか?どーゆーことなのか」という冷静な好奇心を持っていたが、母は「小さい頃からいろいろ見えた」というだけで、論理的に説明することはできなかった。
子供の頃はそれで苦労して、ジイさんはいろんな人のところにみせて「調査」したらしい。で、ある能力者に「あなた、ちゃんと訓練したらこれでプロになれるわよ」と言われたらしいが、母はそれを名誉なことだとは思わなかったようで、そのことを人に言うのはやめたらしい。
そんな母のせいで(おかげで?)わたしは「世の中には見えないもんがいるということが普通」という認識で育った。
そんな人だから見えない存在のことはわたしよりはるかに実感があるはずだが、様相はどんどん変わっていった。
わたしが霊魂や「神」について話すと疎ましい顔や、バカにした言動をするようになった。
「不思議」系の話は一切拒否するようになった。
以前はもっと知的な好奇心を持った人だったのに、宜保センセイの番組レベルではなく、魂の仕組みについて理解できた、というようなことはまるで聞きたがらなくなった。
性格は、さらに独善的になり、人の話を聞かない。わたしや父に対して意地悪で冷ややかになり、人間的な温かみや思いやりを感じることは稀になった。
そして顔も、単なる老いではなく、独特な異様なものになっていき、表情も以前は、もっと陽気さがある人だった。
このことは、家族以外にはわからないことで、誰にも理解されない不気味さをわたしは感じていた。
それで、2018年11月のことだが、父の件で土地の浄化を提案すると、ものすごいヒステリックな形相、あまりにも強すぎる拒否をした。
その拒否の姿勢があまりにも凄まじいことで、わたしはむしろ確信した。
「変なもの」はもはや母と一体化しており、絶対に払われたりしたくないのだと思った。
そこで、母には黙って、わたしは金子さんとサトコさんに土地の調整をお願いすることにした。
そのことは以前のブログでも書いたと思う。
翌日、確認のために顔を見に行くと、彼らの顔は別人になっていた。
あ、これで良い方向に行くだろう、と思ったのが、それも束の間で、あっという間に舞い戻ってしまう。
結局、それ以降、昨年中に何度も金子さんにお願いすることになった。
あの土地の「変なもの」は強固すぎる。
ましてや、母個人に備わった「本来の負の資質」と相まって全開になっているから、父の件が落ち着いたら、一度現場に来て徹底的に根絶しましょうと話していたのに、金子さんは今それどころじゃない状況になってしまい、わたしは途方に暮れている。
人間の性格や言動というものは、1)生まれ持った要素+2)社会的、経験的に身についた後付けの要素+3)見えざる世界からの影響で成り立っている。
1〜3の間に境界線はなく、2においてさえ、3の影響を受けている。
ただ、本当に「変なもの」が来た時、大体は「顔」でわかる。
わたしは自分が「やばい」と思う時、鏡を見たらすぐわかる。それが「風邪」なのか、「変なもの」なのか。
>>>続く