奈良県は大和八木というところで「文豪合宿」に参加してきた。
主催の早夏さんは前から会ってみたいと思っていた人だ。
なんだかわからないけど、その案内を見た瞬間ピンときたので、「よくわかってないけど参加します」と書いて、すかさず申し込んだ。
申し込んでから理解したのは、ホテルに缶詰になって、強制的に「仕事(書き物)するしかない」という環境が設定されて、合宿といっても、各自が勝手にやりたいことを進捗させる、というコンセプト。
どんな人が集まるんだろう。誰か一人でもウマの合う人がいればいいなあ。誰もいなければ仕事してりゃいいわけだし。
まーわたしのバーイ、書き物時間なんていくらあっても足りないし、それに、24時間を完全に自分だけのために使える環境を必要としていた。
で、行ってみたら、参加者は
早夏さん&なおさん&わたしだけ
という、まあ、絶好の宇宙人会議みたいな機会だった、というわけだ(笑)
で。
着いた初日は、近くの「今井町」という昔の環濠集落を見に行った。
要するに浄土真宗の寺を中心として武装した民衆、「一向一揆」のアレだ。今で言う民兵組織だ。
織田信長と戦った。
商売して富を蓄えながら、武器を調達して軍事練習をしていたわけだ。
この絵で好きなのは、人間が戦っていても、猫は屋根の上で寝ているところ。
文化財になってる当時の商家に展示してあった火縄銃。種子島からの堺経由の、全国ルートだ。
茶室があり、茶室への入り口は商売用入り口とは別で、表向き「茶の湯を嗜みに来ましたよ」と言うテイで密室会議ができる。実際は軍事作戦なわけだが。
茶の湯。利休。イエズス会。
・・・・まあ、人類の歴史とはつくづく戦争というか、戦いの歴史なんだよなーと思った。
早夏さんとは初めて会うのに、一切そういう感じがせず。
みっちり仕事をするつもりが、翌日は明日香の方へ。
石舞台。敷地に近づいただけでものすごい金属音した。
光で遊んでみたw (バカ)
キトラ古墳はまるでUFOだった。高松塚も行った。
というより、内部の構造見ると、要するにピラミッドでしょ。
もうこの辺、金属音にやられっぱなしで、すぐ「お腹いっぱい」状態に。
多分ものすごい情報量が入ってきているのだろうけど、わたしたちだって一応人間だから、それがなんなのかさっぱりわからない。
さーーーー、夜は仕事したろ!と思ったものの、
・・・・・・・1ミリも捗らなかった。
ま、いいや、明日は雪だし、みっちりやればいいよ、と思って寝た、そんな翌日も、
やっぱり1ミリもできなかった。
せめて記事の一つぐらい書こうと思ってはいて、管理画面を開くものの、脳内がまったくまとまらないし、だいたい、言葉が(思考が)出てこない。
ちょっとありえない、おかしな感じだったから、わたしは早々に「もういいや」と諦めた。
わたしのバーイ、「なん〜〜〜〜〜にもしないで(ろくなことをしないで)1日を過ごす」という時間がめちゃくちゃ必要だと思っていたから、
あーそうか、今それをしにきているんだな、と思ったら、すごく納得いった。
それに、もしかしたら大和三山に囲まれたこの場所は、究極のゼロ地帯なのかもしれない、とも思った。
要するに、地上的な「やる気」も起きない、集中もできない代わりに、考え込むとかもなく、プラスでもなければマイナスでもない、
アゲもなければサゲもない、「な〜んでもない」超絶ニュートラルな状態の数日間に身を置いたってことかなーと思った。
「こうすれば、こうなる」という、いわば結果が先に想定できることって、
この時点でのわたしには、そんなに多くのものをもたらさないのかもしれないなー。
それが究極のデトックスなんだってことは、「タバコを吸ってもクソまずい」という実感で測ることができた。
いや、だから、考えてみればめちゃくちゃ有意義な時間を過ごすことができた。
いったん抜きに抜いたら、新たなものが入ってくる。
逆に言えば、抜かなければ入ってこないわけで、上乗せの積み上げには限界があるってこと。
で、わたしはとにかく、「横には広げる必要がない」ということを骨の髄まで腹に落とした。
とにかく、わたしの手元にあるもので、奥へ、奥へと進みたい。
浅いものをたくさん持っても役には立たない。
深く、深く、静かにひっそり奥へ進む。
ということだけを、強く決めた。
結果、そのようにしていけば、やはり同じ深度の人と巡り会える。そこからもたらされるものは莫大だ。
わたしが必要としている情報は、浅いところには存在しない。
まあ、そんなことを決定的に感じた、めちゃくちゃ意味ある合宿だった。
ほなまた