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長崎Revisited:ド・ロ神父について考えた

誰も知らない未来を創造しよう


長崎のことを書こうとすると、いろいろと入り組みすぎていてどう書いていいかわからない。

でも書いておくと決めたからには、長く退屈な文章になる予感だけれど、始めようと思う。

 

昨年、初めて訪れたのも、自分の計画ではなく、いろいろな恵みによって「機会がもたらされて」のことで、それまでは「行ってみたい。でも行くべきではない。でも行かなくてはいけないだろう」みたいな、まるで優柔不断としか思えない複雑な心理を持っていた。

今回も同じで、町の景観と雰囲気、食べもの、人々、つまり居心地が非常に良いにも関わらず、つまりあれだけ気に入っているにも関わらず、あれこれと史跡の位置を地図で調べたりする気にはさっぱりならない、わたしにしては非常に珍しいことで、従って巡礼には行きたいものの、自ら進んで計画するということができない不思議さがあったが、先月半ばに話が出て、そのまま「乗った!」ということになった。

それは早夏ちゃんが「バスチャン暦を見るために外海(そとめ)に行く」というものだった。

「外海」というのは遠藤周作が『沈黙』を書くに至った場所であり、同映画でのロケ地にもなり、「隠れキリシタン」の場所でもある。

同時に、そこは世界遺産登録がされたいくつかの教会がある地域でもあり、「出津(しつ)教会」は、昨年の「愛の無差別攻撃」でマリアグリッドを贈った中で、唯一お電話をいただいた施設の真下に位置している。

 

電話で施設長であるシスターは、グリッドについて「ド・ロ神父の教えの通り、みんなで分け合っていただきます」と言い、わたしがド・ロ神父について知っていることが前提のその話ぶりに、非常に心を打たれた。

幸い、わたしはいくつかのことを知っていた(神父は、極貧のそのエリアの人たちが「食べていける」ように職能を教育した)が、もし仮にわたしが知らなかったら話にならない。でもシスターの、そんなことは疑いもしない様子に、わたしは表現できない何かを感じた。

 

マルコ・マリー・ド・ロ神父は、1840年(天保11年)にフランスの由緒ある 貴族の次男として誕生し、神学校卒業後、東洋布教のためパリ外国人宣教会に入会。まだキリシタン弾圧が続いていた1868年(明治元年)に死をも覚悟して 来日し、長崎や横浜で数々の功績を残しました。
外海へ赴任してからは布教活動とともに、フランスで学んだ建築・医学・産業など の幅広い分野の知識を活かし、「隣人を自分のように愛しなさい」というキリスト教の教えを実践。宗教を礎とした深い人類愛で、外海の人々のために力を注 ぎ、一度も母国へ帰ることなく、1914年(大正3年)に享年74歳で逝去しました。
現在は自らがつくった野道の墓(現出津共同墓地)に眠っています。

 

今回訪れて、シスターにもお目にかかり、ド・ロ神父のつくった出津救助院の遺構や記念館を見学し、わたしは大きなひとつの解を得た。

自分の中での「最近の潮流」として、

自分の人生を開拓するのは、とにかく実務がすべて

という強い思いがあって、そのために「小商い」の立ち上げと推進サポートを強化したいと思っているのだけれど、

ド・ロ神父は貧しさにあえぐ村人に、建築や土木技術を伝え、パンの作り方を教え、作物を育て、漁業に使う網を作り、畑を耕すために牛馬を駆使する方法を教え、食料の貯蔵法を教え、医療知識を教え、、、、、という「実務そのもの」を、精神生活と同様か、それ以上の重要さに位置付け、貴族家庭に生まれた私財をすべてつぎ込み、生涯をその普及に費やした足跡は、自分の深いところに落ちた。

祈りは大切なことかもしれないが、明日食べるパンは祈りで引き寄せることはできない。

自分の手から何かを生み出し、糧とする。

1879年(明治12年)、外海地区の主任司祭となった宣教師ド・ロ神父は、「陸の孤 島」と呼ばれ、田畑にも恵まれない貧しい自然環境の中、長期のキリシタン弾圧にも耐えながら、信仰だけを頼りに貧しい暮らしをしていた人々を見て、「魂の 救済だけでなく、その魂が宿る人間の肉体、生活の救済が必要」と痛感。まず出津に教会堂を建て、教会を中心とした村づくりを始め、1883年(明治16 年)に救助院を創設。多彩な事業を授けることによって、外海の人々に「自立して生きる力」を与えました。

 

 

そして、こないだまでなら早速ド・ロ神父に関する本を買い込むところだが、もうそんなことはしない。

もはや彼の人生に感動している場合ではなく、自分がどう生きるかだけなんだもの。

 

 

次回は「隠れキリシタン」について書いてみようと思う。

 

【写真ギャラリー入れてみる】

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ほなまた

 

 

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