こんなことがあるんだろうか。。。。
物事には何か、運命的、というものがある気がするし、今日、わたしはそんなクジを引いた。
昨日、景花から何気なく、展覧会の知らせをもらった。
リンク先はよく読まなかった。
でも単に「北鎌倉のギャラリー」がどこなのかが知りたくて検索し、昔から知っている素敵な家と知った。へーあそこがギャラリーになってるんだ。
展示に関してはよくわからないけど、なんとなく行こうかなと思った。本当に、なんとなく。今となっては自分の直感を褒め称えたい。
前日の午後は調子が悪く寝込んでいたから、まあ、今日も行けたら行こう程度の感じだったが、今朝起きてすぐ、行こうと決めたのは、実家の庭の草刈りが気になっていたからだ。
ちなみにこのギャラリーと実家は至近距離。母に何かお昼を買っていき、展示を見て、午後は草刈りだ。
会場に入り、作品に描かれた世界はすぐわたしにフィットした。自然を優しいまなざしでよく観察している人のものだ。
画家のお名前は、福井安紀(さだのり)さん。
そしてわたしはすぐに、ある一点の作品から、声をかけられた。ほんとだよ。確かにわたしを呼んだ。
それは梅を描いたもので、作品群の中で唯一動物が描かれていないものだった。その梅は我が家(実家)の梅にそっくりだと思った。
わたしの名前「かおり」は、生まれた時分に満開だった白梅(なんとか龍)の馥郁とした香りが庭に漂っていたから、おじいちゃんがそれにちなんで付けたものだ。
あ、と思って近寄ってみると、その作品のタイトルは「かおりの中で」だった。
あーあーあー、これはもう仕方がないな、と思った。この絵はわたしのために作られたものだ。すぐ観念した。
庭の梅はやがて朽ちるかもしれないかなりな危機を抱えている。あるいはいつか切ることになるかもしれない。それを考えると寂しさを覚える。でも、この絵があれば、、、、、
他の作品もとても素敵だった、
特に気に入ったのはこれで、思わず声を出しそうになった。
ナメクジが歩いた軌道には、いつも輝く筋ができている。
わたしの大好きなセミもあった。
この人は信用できる、と思った。生き物にどういうまなざしを向ける人かはわたしにとってかなり重大事だ。
在廊していた作家さんとはたくさんお話しすることができた。
この技法は砂や土をニカワで練り、着色していくもの。漆と違って水には弱いが、濡らしさえしなければ耐久性がある。まずはそんなテクニカルな話からだった。
やがてこの方は、襖絵を格安価格で引き受ける試みを続けていること、またその理由などを聞き、さらにこの人は信用できる、と思った。
また、美術界に専業で食っていける作家が一握りであるという事実を前提に、それを覆そうと自らのノウハウをすべて開示する方策をとっていることには非常に心を打たれた。
手書きのノウハウ集は本になって出版されている。これは紛れもなく「人の行動を変えるための本」だ。
職業は専業画家: 無所属で全国的に活動している画家が、自立を目指す美術作家・アーティストに伝えたい、実践の記録と活動の方法
「どうせやるならちゃんと売れ」は、わたしもずっと掲げているテーマだし、「好きなことをして生活する」を実践する人が増えていかなければ、社会は変わらないと思っている。
そして誰も語りたがらないお金のことについて、すべて明かしているという話を聞き、わたしも一冊買った。届き次第、熟読するつもり。
信用できる、と思ったから、わたしも自分の活動について話したくなった。鉱物に心惹かれること、岩や山に特別な何かを見出していることなども語った。
それに自分の創作に関して、何かインスピレーションをたくさん受け取ることができたし、こういう人に出会いたかった、と心底思えたので、絵をいただくことにした。
幹に使われているのは、出雲の稲佐の浜の砂で、白梅はあぶくま洞の石灰岩、紅は那須高原の土だ。
動物が描かれていない、と思ったが、幹が龍を表している。
この他にも非常に心震えることがあったが、今日は触れない。
とにかく、大いに刺激を受けた。こういう刺激を、わたしは待っていたんだ。
会うべき人には会えるようにできているし、そんなタイミングだったのだろう。ありがたいことこの上なし。
素晴らしい1日だった。
そういえば、昨年もこの時期に、動物の絵を買ったなあ、、、、
ほなまた!