わたしは観察者です。
たいていの物事を、無意識にな〜んとなく観察しています。
今日の話はエグいんだけど、イモ虫の話です。
読者の皆さんは、わたしが長年、この時期はイモ虫を保護して蝶々になるのを手伝っていることをご存知だと思いますが、今年はわたし史上、前代未聞のことが起きた。
結論から言うと、2度保護して、2度とも寄生虫にやられてた。寄生するのは、なんとかハバチとか、なんとかバエです。
そういうことがあるのは知ってました。でもこの長〜い飼育歴の中で、見るの初めて。かなりなグロさだった。
蛹になった♡と思っていたら、お腹の色がなんかいつもと変。
普通は蛹から2週間ぐらいかけてメタモルフォーゼとなるわけだけど、2日後ぐらいにハッと気がついたら虫かごの中に気持ち悪いウジ虫がピクピクしてる。
この衝撃たるや、いくら虫愛づるわたしでも流石にゾッとして、吐きそうになった。庭に放り出して、おしまいとなりました。
このイモ子ちゃんは、レモンの木にいたものです。でも見つけた時にはすでに大きかった。
蝶々が卵を産みにくるこの時期は割とちょくちょくレモンと山椒を見ているので、通常だとわずか数ミリの時点で見つけて保護しますが、そういうミニミニ赤ちゃんを、今回見ていない。
2度目は、それから数日して、こないだの台風の後、山椒の木に1人いるのを見つけて保護した。
今度こそ無事に蝶々になってくれるか、あるいはやられているか。。。。
で、結果、本日蛹になり、直後に腹に黒い点々が出ましたので、寄生虫決定。やむなく庭の植木鉢に置きました。
イモ子1の事例の後なので、イモ子2は最初から疑っていました。
明らかに挙動が変だった。
通常、蛹になる前は狂ったようにムシャムシャとがっついて葉っぱを食べるものですが、食欲がない。
それからウンコの大きさも小さい。それを見れば、明らかにまだ蛹になる段階ではないのに、蛹化を促進されているかのごとく体を震わせていたのも変だった。
通常ならば蛹になるべき場所を入念に吟味してから固まるものなのに、割と素早く、動かなくなり、勾玉になり、蛹になりました。
それに後から考えれば、1人だけがレモンなり山椒なりにいることはあり得ない。
お母さん蝶々は、子供が捕食されることを知っているから、たくさん卵を産みます。
そして孵化したら、ミニミニどもが一気に食べ始めるので、やがて山椒は丸坊主になります。
でも、イモ子2は、青々と茂った山椒の木に、なぜかかなりの大きさで、一人、いました。
てことは、この木に産みつけられた卵から成長したわけではなく、どこかで生まれ、ある程度大ききくなり、ハバチがたかり、胴体に卵を注入された。
その時から脳(というか意識)をジャックされ、自分自身ではなくなり(ということには気付かず)、ハバチの生存のために歩かされ、餌となる木を見つけ、そこによじ登ってきた。
ハバチの卵はイモ子の栄養を吸って体内で育ち、そろそろ下界に出るにふさわしい時期なので、イモ子を早く蛹になるよう促し、腹を破って出てくる。
当然、イモ子はその時点で死にます。人生の途中から、自分ではない何者かのために行動して、命を落とすまでそれに気づくことはない。
・・・・なんだかこれ、ちょっと示唆に富むと思いませんか?
あなたはどちら?蝶々になる人?寄生者に人生を捧げる人?
とかなんとか。
ちなみにどうしても蝶々の見方をしたくなるけれど、なんとかハバチさんだって必死です。
そのため生み出されたこの生存戦略ですし、これが「悪い」ことならば存在していない。
この世にあるってことは、神がその存在、あり方を許してるってことだからね。
お母さん蝶々だって、そんなことはわかっているから、大量に卵を産むわけだし、お母さんハバチだって、命を繋ぐべく必死にイモ子を探すわけだし。
見事羽化した者は、その羽でどこまでも飛んでいけばいい。そして人生を全うして欲しいとわたしは思っています。
あ、それで、ある種の寄生虫は、稲の外敵にも寄生してやっつけてくれるので、人間はそれを「益虫」と呼んだりする。
ま、なんていうか、、、、人間というものが、他の生き物にとって「益虫」な存在なのかどうか。
ほなまた〜!