それはいつのことだったか、東方の島国に不老長寿の薬を求めて海を渡った「徐福伝説」というものを初めて知ったとき、子供心になんだか胸がときめいた。

はるかかなたの海岸から、今まさに荒波の向こうに旅立とうとしているお船。無事たどり着くのかもわからない旅。そのお船に、自分も乗り込んでいるような気になった。波に揺られた気になった。

そしてその島にたどり着いて、行方は知らない。けれどその国の王になったという。

めざしていた陸に上がったとき、彼はどんな気持ちだったんだろうとか、そんなことを考えた。

わたしは、そういう子供だった。

聞いた話はそれだけで、もっと知りたいと思ってもわからずで大人になった。なのに、ずっとずっと、それは心の片隅に残っていた。

2010年と言ったら12年前のことだが、こんな本が出たのを見つけてすぐに買った。

なんと、心ときめいたあのお話が、わたしの住む相模国と関係しているなんて！という驚き。だがしかし、この本で多くのことはまったくわからなかった。

そして12年が経った今年の春、なぜか富士山麓に「徐福伝説」を発見し、慌てて本の存在を思い出した。

今、思い返してみると、まったく筋道があったわけでもなく、どういうわけだか、徐福、富士王朝、物部、九州、東北、奈良、十種神宝、シジル、祝詞、ニギハヤヒ、、、、、そんな一見何の関係性もないようなバラバラの事柄を追って行ったら、今年も終わろうという今、ぜんぶぜんぶぜ〜んぶ、繋がっていた。

つまり、徐福とはスサノオで、スサノオとはニギハヤヒだった。つまり徐福はニギハヤヒだ。

来週、物部神社の鎮魂祭に行く。

それは十種神宝祝詞が届いて自分の意思とは関係なく号泣、同時にわたしや家族に明らかな変化を確認したときに決めた。

十種神宝は、なんのゆかりもなくてもに力を実感する人たちが続出したのも「本物の証明」と捉えている。

この鎮魂祭が、国の民の健康と安寧を祈願するものならば、今年はとりわけ大きな意味を持つだろう。

それになにより、今となっては、このお詣りは個人的な「お礼参り」のような気がしている。

徐福とは、スサノオであり、ニギハヤヒだった。

昨日届いた出雲口伝の本の、表紙をめくったら、こんな写真が載っていた。

物部神社があるところ。

その海岸が、徐福の上陸地だった。

そうなのか、そうなんだ。

非常に感慨深い。

子どもの頃に心ときめいた、そういう「感覚」には必ず結末がある。

なんだろう？と思うことは、いつか必ずわかるようになっている。

「導かれた」というような言葉も、軽々しく使う気になれないわたしだけれど、とにかく、すべてはやっぱりその言葉以外には言いようがないんだなあとしみじみする。

わたしの生家はその昔、天王屋敷という場所だった。天皇とは牛頭天王。つまりスサノオのこと。

地元の村社「八雲神社」の、禁足地だった。

母の家紋は物部の家紋だった。

徐福に始まり、徐福に終わる１年だった。今年は「そういう年だった」としか言いようがない。

自分の人生という時間を考えると、随分と長い旅をしたような気にもなった。やっと辿り着いた。

しかしわたしは与えられた課題をいちいち律儀に解決してきたから立派なもんだと思う（笑）

謎解きが終わったから、わたしは十種神宝を褒美にもらえるだろう。

今年、いろいろなところへ連れて行ってくれた皆様、それから謎解きの共有に付き合ってくれた皆様には本当に感謝している。

富士北麓で「来たって何もわからない、何千年も前のことの痕跡があるわけないのに、どうして来たくなるんだろうね」と笑っていたことが、妙に懐かしい。たった数ヶ月前なのにね。