オサナイカオリノシゴト

KAORISSIMA ENERGY WORKS

全て絵筆のみで表現された一人の人間の生きざまというものを見た

誰も知らない未来を創造しよう


うちのDNはとってもバカなんだけれど、時々ホームランをかっ飛ばしてくれることがあって、昨晩突然これでも行こうかと提案してくれたのが、葉山の近美で開催中の「横尾龍彦 瞑想の彼方」という展覧会だった。

浅学にしてその名を知らず、また調べもせず、「いいよ」と言ったものの、脳内では「横尾龍彦ってのがいるなら、澁澤忠則てのもいたりして」などとアホな考えしか浮かばなかった。まあ、それほど知らなかったわけだが、今となっては申し訳なく、また恥じる気持ち。

しかし、「まったく知らない画家の展覧会を見る」ということは新鮮で、かつ人もほとんどいなかったため、思う存分ゆっくり時間をかけて作品を堪能することができた。

 

行ってびっくり、また、福岡か!という点も然りだが、彼の初の個展には澁澤龍彦も種村季弘氏も分を寄せたというから繋がりがあったんだ!ということ。

そしてこの方がキリスト教シトー会(!)に支援されて渡欧されたという来歴であることを知る。

そんな初期の作品群をひとつふたつ見たところで、彼の心の中を占めているのであろう強迫観念、負の想念と罪悪感をそのまま絵に表しているのだろうと気づいた。

男根、おっぱい、女性器、悪魔、一ツ目、明らかに悪徳な聖職者たち。そしておそらくは魂を表しているであろう真珠のような球が繰り返されるモチーフとして登場する。

しかし不思議なことにわたしはそこに嫌悪感や重さ、おどろおどろしたものを感じることはなく、この見知らぬ画家の人物像に思いきり興味をひかれることとなった。

 

 

そのうち絵の説明に、想像した通りのことが書かれているのを見つけた。

そして、「そうなんだよな〜、、、、」と思った。

一般的な人々、常識的に生きる人々とは違う自分、他の人とは違うものを見ている自分、心の中に存在する不可思議な世界や苦悩、、、、そういったものを抱える人は既にして既知外だ。狂人といってもいい。

そして狂人の生きる道は芸術以外にはないんだよなあ、、、、という意味で「そうなんだよな〜」と思った。

暗黒を抱えているなら暗黒を表現すればいい。それが自己表現であり、自己肯定とはすなわちそういうこと。

暗黒を抱えているくせに光だけ表現しようとすることに無理がある。

仮に技術としてそれを表現したとしても、(わたしは)そこにあまり説得力を感じないのはそういうことなんだよな〜、、、、

現代はみんなが暗黒を受け入れず、また自分の暗黒はひたすら隠し、安易に光だけを求めようとしている。また安易に光を求めさせようと誘導する。わたしはそこにどうしても安っぽさを感じてしまうんだよな〜。

薄っぺらい嘘の光なら、本物の漆黒の方がよっぽど好きだ。なぜなら、本物だから。

嘘はどうあがいても嘘でしかない。

 

・・・・てなことを考えながら進むと、

ああ、やっぱりね!やっぱり既知外か!と納得できる記載があって、なぜか意味不明に安堵する。

 

そして彼自身の手によると思われる紹介文を見つけ、我が意を得たりという気になった。

いつも忙しくて、混乱しているのは、よいことではありません。どんな環境にあっても、内面だけは湖水のように、清く、静かでありたいと思います。
並ぶ天才達の絵の美しさには、適うことはできませんけれど、悲しみと苦悩に洗われて、私なりの魂の、讃歌を見出すことを願います。実は悲しみと、弱さの内側に、尊い真珠が光っているのを見るのですが、手に取ることができません。旅人として、この地表にさすらい、紫雲の低くたれこめた、地平の果てに、金色の落日を拝むような心で見つめていると、優しい歌が聞えます。
私達の生命は、現代社会の、複雑な、メカニズムに隷属し、素朴と、自由を失いましたが、その素朴を、発見できるのは、遠くはないと思うのです。そして、私は、夕暮れの空気と、一体となり、聖なるものと、結びながら、虚像を怖れ、密度のあるマチェルの中に、静かに息づくのです。

 

ああ、好きだ、この人。

 

・・・というか、この時点で既に「結末」がわかってしまった気がして、実際にその通りだったけれど、もう少しプロセスを紹介していく。

 

この暗黒期を経て作風は青を多用した時代に移行する。

素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい!生命の起源。(だとわたしは思った)

その光の眩さたるや。

ディテール。

 

一時は逗子に住み、その後拠点をドイツに移しながらもたびたび帰国し、禅の実践を深めていったそうで、こちらは帰国時に浄明寺(鎌倉の地)で描かれたという。

 

そして陽光さす展示室に置かれた聖母子像はあまりにも穏やかだった。

 

 

最終章となる晩年の作品は一切を昇華させた人にしかできない表現になっていた。

そしてこちらが絶筆となった。絶筆にしてこの力強さ。

 

今日は素晴らしいものを観た。

全て絵筆のみで表現された一人の人間の生きざまというものを見た。最初から、グロテスクだけれど邪悪でないと感じたのは、彼が光を見てその彼方で生涯を閉じたからなんだな、と思った。

併設でジョルジュ・ルオーの版画を観れたのも良かった。

芸術はいいものだ。

 

 

それから葉山の近美はこれまでも行っているのに、どうしてなの今日初めて知ったかのように、岩戸山古墳の彼がいた。

あなたこんなところでどうしたの?

もはや友達に会った気分(笑)

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