秒速で1億稼ぐ彼、たくさん時間をかけて立ち直って欲しい
与沢翼さん。
かつてまん丸の童顔にパッツンパッツンのスリーピースで「秒速で億を稼ぐ男」として売り出した時は、きっと色物かネタだろうと思っていたんですが、実際に情報商材を売ってそれぐらいの稼ぎがあり、なんかの件で捕まって、ヒルズを撤退し事業を精算。その後出直して、やっぱり再度秒速で数億稼ぐ実力者だったってことは知ってました。
昨年、なんかの拍子に彼のチャンネルが表示され、「へー!」って感じでチラ見したら、豪勢なお住まいに可愛いお子様方を溺愛している様子が映し出されており、「ふ〜ん」と思ったけど、同時になんか、、、その、、、なんか危険な香りも感じていました。
で、現在、久しぶりにお名前が画面に踊っていますが、自らおくすりの中毒だったと告白。そして奥さんが子供を連れて出てっちゃった件、動画で独白されていたのを参考までに見てみました。
これが、
おくすりは絶対いかんよ!
ていう、その恐ろしさを啓蒙するビデオ教材として秀逸なものだったわけですが、わたしは色々なものを見て取りました。
まず、語る顔には濃いクマがあり、頬はこけ、首は細く、ただならぬやつれ。
あれだけ頭脳明晰、言語明瞭な知能指数の高い彼でも、まったく同じ話を何度も繰り返すループ話法、しかし最初に言うこととその後言うことが違う、高度なメタ認知ができているにも関わらず特定箇所で泣き出す、分析と妄想が入り乱れて全てが(彼の中では)真実、ということになっている。
さらに怖いのは、彼は「もうやめた。簡単にやめられる」と言ってるわけなんですが、多くの人が意に反して再犯してしまうこと、田代さん清原さんなんか「やめ続けること」のしんどさを正直に吐露していた姿が記憶に新しいだけに、与沢さんの自己評価の高さがおくすりごとき断つのは簡単と思うに至らしめてるんだろうけど、「マジか!マジでそう思ってるのか!」という衝撃も受けました。
あれを見せられたら、「こえ〜〜〜!くすりってこえ〜〜〜〜!」って誰でも思うはずなので、黙っておくこともできただろうに、与沢さんはそれでも人の役に立っている。
成功した人が転落してザマア!と言う人とか、おくすり依存の弱さを責めたりする人もいるけど、どうかと思う。少なくとも彼らの行為でわたしには1ミリの迷惑もかかっていないし、みんな誰しも、何がしかの中毒であり依存を持ってると思う。
それよりおくすりに手を出してしまう人が抱える哀しさの方にフォーカスが行きます。
与沢さんは自身が持っている根本的な人間不信の根底に、両親の問題があると告白されてました。
両親は不仲で、長いこと別居していた。優秀で社会的地位がある父親があるとき女を作り、それを察知した母親は彼を責め、恨み、愚痴の中で翼さんを育てた。父親は「彼女が見てみぬフリをしてくれていたら、今も結婚生活を送れていたのに」とこぼしたことがある。数年前に離婚が成立したけれど、翼さんは「親に捨てられた」と感じてそのトラウマが今も彼を苦しめる。
だから自分の結婚相手には、純朴で邪気のない、自分を裏切ることがない女を選び、「信頼し合える」関係を望んだ、と何度も言うのですが、携帯の中身を全部見せ合うことだったり、交友関係のすべて(誰といつどんな会話をしたとか)の報告義務とかを「信頼」と称しているのは正直ゾッとしました。
それは信頼なんかではない。しかし彼には「信頼」をそのようにしか捉えることができない。
そして家族はそれぞれ独立した人格を持った「個人」であることがわからない。特に奥さんのことは、ヒトというより所有物として捉えていることがくっきりしているのだけれど、彼にはそれがわからない。
うーーーわ、「幼少期」ってこんなに大きいか、の見本のような話でした。
繰り返しますが、こんなに頭脳明晰な人でもこれか!という、、、、どういうのか、やるせないような気持ちになりました。
また自分のことをサイコパスと称してますが、実は真逆で、彼は繊細です。真のサイコパスはそんなことでは傷つかないし、自分のサイコパス性を自慢したりしないものです。傷つく心が最初から実装されていない、欠落しているのがサイコパスです。
わたしが「ああ、、、」と感じたのは、彼が両親のことを「おふくろ、おやじ」ではなく「お父さん、お母さん」と呼び、また彼ら双方の心理を理解して責めたりしていない。そんなところに、この人が本当はどういう人なのか、見えたような気がした。
でも、さらに、莫大なお金を持っているが故に、誰かが自分を騙すのではないかという猜疑心に24時間365日取り憑かれている。「防御」姿勢を片時も崩すことなく生きてきたんだろうこともわかりました。
しかし、ここも複雑です。
彼にそのトラウマがあったからこそ、それが動力源となってケタ違いのお金を稼げたんでしょうし(なぜならお金は彼を裏切ったりしない)。後ろ盾なく、人並外れた額を稼ぐ人って大概はモチベーションと背中合わせの悲しい幼少期だったりする。
しかしいくら稼いでも真の安らぎや「信頼」は得られない。むしろ稼ぎを奪われることを警戒する、というふうに「反転」していく。
おくすりのせいでボロボロ泣いているのでしょうけれど、逆にそんなことでもなかったら自発的に涙を流すことはなかったはず。その機能のスイッチオフにしてきたんだと思いました。
「因果」といいますが、お父さんがお母さんにしたことより、彼が奥さんにしたこと、彼が両親から受けた苦しみより、さらに強烈な苦しみを子供に与えてしまったこと。世代が更新されるほど「現象」がキツくなっていくことの典型でもあります。
親から受けた傷を一生かかって癒していく(=成長)ことが我々の人生。
才能と同時に、傷も引き継ぐという、このしょーもない仕組みは一体なんなんでしょう。仕方ないから取り組むけど、全くアホみたいな仕組み、設計ミス、どうしょもないゲーム、クソゲーだと思います。
だけどその中に、喜びも安堵も刹那として散りばめられてるから、わたしたちはリアルスーパーマリオ。まあ、得点稼ぐしか今の我々にはありません。
「幸せ」ってなんなんだろうかね?
とにかく、この人おもしろい。「人間」を見せてもらってる感じ。
賢い彼のことだから、なんらか気づいて、このループから抜け出して欲しい。それもまた、生きた手本として人に希望を与えると思うんです。
ちゃんと薬物治療してほしいよ。
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