城崎にて。仲居さんは中居さんより大切!

温泉どこ行くかさんざんガタガタと迷った挙句に行った城崎にて最高の3日間を過ごしました。

本当に素晴らしかった!

うんざりするほどカニ(特に焼きガニ)を食べること、豊岡の柱状節理を見ること以外は何にもせず、ただ「おこもり」のための宿を選んで、心底のんびりしました。我ながらベストチョイス!

いろいろと感じることが多かったので記録しておきます。

 

 

当初、志賀直哉ゆかりの「三木屋」に行きたかったけど、

https://kinosaki-mikiya.jp/

直前だったため満室で、別なところに。

2日続けてカニは嫌、だけどカニは「焼きガニ」が必須!ということで日程とお料理優先で宿を選び、今回「源泉掛け流し」は二の次にしました(笑)

それで選んだのが1泊目はこちら。

https://kobayashiya.co.jp/

もともと17世紀に瀬戸物屋と一緒に立ち上げた料理旅館とのことで、夜の会席に使われている器も時代物の素晴らしいものでした。

地域の豊かな素材を使ったお料理は、田舎にありがちな「これでもか!」という量が出てくるやつではなく、まさに「ちょうどいい」感じでとても満足。

こじんまりとした内湯は3箇所あり、空いている限り自由に鍵をかけて使う式のもの。

土曜日ということもあって外湯めぐりが観光の人たちでごった返していて、芋洗いを超えて小豆洗いか!というぐらいで耐えきれず、5分で退場してしまったので内湯に何度も入りました。

(この写真 ↓ は早朝ゆえに人が写ってないだけで、到着時はほとんど鎌倉か!ていう人出だったよ)

 

内装は古典的な旅館様式を残してモダンに改装されていて、客室数も7室。

後から考えて思い出したのだけど、わたし30年ぐらい前にも冬の城崎にカニを食べにきて、その時泊まったのがお隣の「まつや」(写真の右側)だったかも!

 

30年も経てば世の中変わっているのは当たり前だと知りつつも、駅前や、駅から旅館街まで続く道の様子がまったく様変わりしていて、これじゃまるで鎌倉、小町通りか!(超悪い意味)とかーーーーーなりやな気分になったのは事実😂😂😂

ご当地の名前をつけただけの「プリン」「ロール」「バーガー」「だんご」「コーヒー」とかなんとか、全国どこの観光地でもありがち過ぎる、その辺で買って食べながら歩く系新興食いもののコピペ商法に、素泊まりインバウンドを受け入れたがゆえ(ガイジンは宿で食事を取る習慣がない)のしょもない飲食店(ほとんど海鮮丼系)の乱立。

わたしはそういうものへの関心がもはやゼロ。老年の域に来ようかというお年頃ゆえ、今回はカニの季節の古典的な城崎の楽しみ方を欲しております。

なので、そういうムキには今回の日程は参考になるのではなかろうかと思って書いてますよ。

 

それにしても。

翌日のお宿もそうでしたが、仲居さんはすべて東アジアの若い方々でした。みんな、イントネーションこそあれだけど、上手に日本語を操り、にこやかに、ゆったりと案内をしてくれる。

この人たちがいてくれなかったら温泉旅館は成り立たない。温泉旅館「も」かも知れない。

わたしなんかすぐあれこれインタビューしたくなるタチだから、どこから来たのか、どうしてここで働いてるのか、仕事は大変か、辛いことはないか、家族はどうしてるのか、まーいろいろとお話を聞き出してしまいます。

一人の方は台北出身で都会育ちだから、城崎みたいな田舎はとても新鮮だし気に入ってると言ってた。

やなことだってたくさんあるでしょうに、やさぐれるでもなくやっている姿を見ると、本当にありがとねーって思うし、とてもじゃないけど下に見る気にはなれない。

 

いやしかし、今はこの人たちを雇い入れてなんとか回しているけれど、この先はどうなるのだろう?

経営側にしたら、日本のサービスを「教える」っていうのも大変なことで、仕事を覚えてもらって一人前になって、、、、ってなってから、いつまで仕事を続けてもらえるんだろう?

また彼女たちにしても、そこで永らく住み続けたとして、きちんとしたキャリアとして仲居頭になったりするのか?やがてはファミリーレイズだってしたいでしょうし、その場合どうなるんだろう?

外国人永住権の問題って概念だけで反対するとかガタガタ言っても、地方では実際に若い日本人が物理的に「いない」か、いてもそのような仕事に就かないのなら、誰かに引き継いでいってもらわないと存続は厳しい。

引き継いでもらえるのなら、待遇含めてそれなりにきちんと用意するべきで、「安く使えるから」じゃ成り立たないでしょう。

 

本当にどうでもいい中居さん問題より、仲居さん問題ははるかに重要で由々しきこと、しかも喫緊の課題だとわたしは思うよ。

中居さんが消えても困らないけど、仲居さんがいなくなったら困るんですから。

 

それからもうひとつ思ったのは、

日本は要するに「貧乏国」になってまだ慣れていないんだなってこと。

東アジアの子たちは仕事のために単身日本にやってくる。知らない国、知らない言葉、慣れない生活環境に身を置いて、一生懸命努力して、仕事を覚えて、どうにかやっている。

でも逆は圧倒的に少ない。なんでだろう?

日本にいたって未来があるわけじゃない(かも知れない)のに、どうして日本でくすぶってるんだろう?

・・・・良いか悪いかじゃない。なんでだろう?って考えてます。

 

 

最後にどーでもいい話。

初日のお夕飯で、隣のテーブルが若い女子の2人組でした。

聞こうとしなくても聞こえてくる会話が微笑ましい。「今度は親を連れて来てあげたいね。今まで連れてきてもらうばっかりだったから」とかなんとか言ってる。

グッときた。いい子だな〜。わたし若い頃そんなこと考えたこともなかった!つい最近までそんなこと考えもしなかった。

それでなんとなくお喋りをさせてもらったら、今月がお誕生日月だったそうで、「二十歳を過ぎたら良い旅館に泊まってみたいと思っていた」んだそうで。

このあと就職を控えているけど気が重い、めっちゃ嫌だ。人生の終わりだとすら思ってる、とか。

若いうちにたくさん楽しんでいい経験を積みなさいと親は言ってる、とか。

そりゃいい親だ、いい育てられ方をされたんだ。ご両親は素敵だね、おいくつぐらいなの?

と聞いたらやっぱしわたしの世代だった。なんか、ちょっと嬉しくなった。

あーそうか、このぐらいの子供がいる世代、ご両親も頑張ったんだなーと思ったら、2人にワインの一杯でもご馳走しようという気になった。

2人はそれぞれ、赤がいい、白がいいと言うので、仲居さんに「二人に赤と白を」と頼んだら、「赤と白」が2人に、つまり計4杯が運ばれて「え(笑)」てなったけど、あー言葉通じないってこーゆーことなんかな〜というのも、まあいっか。まあいいや。まあいいよ。この旅では散財すると決めてるから別にいい。

わたしも若い時に、見ず知らずの人からお酒ご馳走になること多かった。だから恩返しさせてもらう機会もらえて、こちらこそありがとう!って言ったんだ。

Pay forwardっていうけど、本当に嬉しいことなんだよ。

それが老年の域に入った者の心境なんだよ。

 

 

(まだ続く)

 

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