思春期とハードロック。みんな元少年少女

先日のこと、マイケル・シェンカー@武道館行ってきた。

アリーナの最後尾から2番目という、むしろスタンドの方が良かったような席だったせいで、マイケル本体を3秒ぐらいしか肉眼で見られなかった(笑)けど、音だけでめちゃくちゃ素晴らしく、爆音のためしばらく耳が聞こえなかったことも含めて感動の余韻がしばらく残ってた。

マイケル・シェンカー。これを読んでるほとんどの人は「誰それ」かもしれないけど、昔からのロック少年少女なら知らない人はいない、ハードロック界のレジェンダリーなギタリスト。キャリア50周年で今は70ちょいなのかな。

80年代初頭ってハードロック流行ってたの。

(それがやがてヘヴィメタルになり、それがスラッシュメタルになったり、なぜか日本だけ先鋭的なカッコしてるけどやってるのは歌謡曲というビジュアル系になったりと分岐して、最終的に地に落ちたわけw)

81年に武道館で伝説的なライブがあって、当時中学だった私はライブ盤を聴くだけで現場には行ったことがなく、以降何度か来日しているけど「正真正銘の繊細さん」だから演奏途中で帰っちゃったりとか、また天才ゆえに狂気と紙一重でもあって、いけないおクスリとかいけないお水のアディクションとか、財産全部騙し取られたりとか、まー危なっかしいことこの上ないんだけど、今では穏やかに楽しそうに演奏する姿がYouTubeに上がってる。

去年、来日情報を目にして速攻で福岡のお友達に「シェンカー来るってよ!」と一報したら、間髪入れず「行く!」と返ってきて、それもすごく嬉しかった。

とにかく、一度は生音にあてられたかった願い叶って、五臓六腑に響く重低音は、音源では絶対に味わえない周波帯だよなーって、改めて「現場の音」の素晴らしさを噛み締めたよ。

超満員の武道館は9割おっさんで、「最近の若い子」もちらほらいたけど、世代としては私らが「若いほう」だったかも。

わたし達の前列に、上質なスーツ姿の、あーこの人いい企業でいいポストに就いてるんだろうなって感じの上品さ漂う二人組がいて、演奏始まったら大きな声で歌ってた。そんな人の横では黒いTシャツからポッコリお腹がこんにちはしちゃってる「元ヘビメタ野郎」とか、若い頃髪染め過ぎただろっていうような「薄毛のロン毛」のおっさんだとか、現在の姿はそれぞれなんだけど、みんなが歌ったり拳を突き上げたり、涙ぐんだりしている姿もグッときた。

あの日の2時間だけは、すべての人があの頃の少年少女に戻されて、純粋な気持ちになってたんだよ。

なんだろうね、思春期とハードロックって、絶妙な相性なんだよね。

複雑で繊細で、爆発的な感情、やり場のなさ、、、そして何より「美しく重層的な旋律」、どこか教会音楽を感じさせる陰影に富んだフレーズを紡ぎ出すマイケルがわたしは大好きだった。

本当に念願叶った感じ。

どーでもいいけど高市早苗がヘヴィメタ好きだとかで話題になってたけど、わたしの場合はヘヴィメタ好きっていうよりマイケル・シェンカーが好き。

ヤクザ映画が好きなわけじゃなくて『仁義なき戦い』が好きなのと同じかなw。

あの世界ってバンドの方向性として悪魔的なもの、おどろおどろしいブランディングも多くて、ブラックサバスとかジューダスプリーストとか、美しさを見出せないからそういうのは嫌いだった。後から思うと、あの頃から堂々と音楽業界の悪魔信仰みたいなもんが姿を見せてたんだと思う。

わたしいつも思うけど、美しいものって一抹の影や悲しさを伴うものだよね。

心の琴線に触れるっていう表現があるけど、美しい旋律はいつも陰音階。

人の人生も音楽であるならば、悲しみも苦悩もない方がいい人生だなんてとても言えないはずだよ。

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