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『父と私』読了

その後の世界を作るために


田中真紀子氏が『父と私』という本を数年前に著していることを知り、買い、一晩で一気に読了した。簡潔で的確な文章は、このところ小難しい本、いちいち頭を回しての理解を要求される本に偏重していたわたしには清々しく、サラサラと読めた。書かれていることは決してサラサラしたものではないけれど。

角さんが首相就任したのは昭和47年とあるから、わたしは4歳だったということになる。「おかしな子」だったので、国会中継をなぜかよく見ていた。今思うと、何を見ていたのだろう。当然おじさんたちの話す内容ではなく、何か別なものを観察していたのだろう。角栄の前は佐藤栄作で、「沖縄返還と佐藤栄作」もはっきり覚えているし、佐藤退陣も記憶に残っている。

日中国交回復の時のニュース映像、田中角栄と周恩来の握手する様子なども当然めちゃくちゃはっきりと覚えている。子供心に角栄は偉大な人だと思っていたから、ロッキードで全日本から袋叩きになった時は悲しかった。おじいちゃんに「田中角栄は悪い人なの?」と聞いた自分の声を思い出せるし、今でも国会答弁での児玉誉士夫とか小佐野賢治の様子はありありと思い出せる。「丸紅ルート」という言葉もだ。

そんなわけだからわたしは子供の頃から「田中派」だ(笑)。竹下登たちが角栄を裏切った時のこともよく覚えているし、直後に角さんが倒れたのち、どういう報道がされてきたかもかなり克明に覚えている。

本当に変な子供だったと思う。政治は好きで国会中継は面白かった。政策や主義主張ということより、政治家先生方のキャラクターをよく見ていたし、実際見抜いていたと思う。それに学校でも政治家のことは結構話題になっていたように記憶している。

首相になる人たちがあまりにもショボいキャラばっかりになってから(たぶん海部あたり)は、政治に一切の興味をなくし、その後政治というもののカラクリというか、支配の構造を理解してからは、政治そのものではなく「政局」をウォッチするだけになったので、もはや政治に何の希望も持っていない。

でもわたしの長い年月をかけて熟成されたキャラ(もちろん政治家に限ったことではない)の「見抜き力」には、絶対的自信を持っているので、一見ヒーロかのようなアイツとかアイツとかには絶対騙されないし、なぜそんなものに引っかかって熱烈支持してしまう人がいるのか、首を傾げてしまう。

我々国民の生活が苦しいのは、「安倍のせいだ」「岸田のせいだ」「自民党が悪い」でもなんでもなく、「そういう構造に置かれてしまったこの国」という風にしか認識しなくなった。つまりこの構造がある以上、どの党が政権を取ろうと、何も変わりはしないこと、日本に主権が存在しない以上、隷属的にならざるを得ないという「結果」が、イエズス会が日本にやってきた時以来の年月をかけて綿密に準備されたことなんだということを痛感するだけになっている。

そういう状況下、結局「今」というどん詰まりの状況に至る道筋の中で、それでも角栄がいた頃は希望があったんだと思って振り返っている。

そして希望をもたらす人はすべて葬り去られることも含めての「仕組み」が完璧に出来上がってしまったが、国民はそんなことを考えもしない骨抜きにされ、目先の現象にのみ反応するようにされてしまった。完璧な計画が完璧に実行されて、今に至っているわけだ。

 

 

真紀子氏の著書は色々な読後感をもたらすものだった。

一言一句すべてのセンテンスから、彼女が実父をいかに愛し尊敬し、讃え、指針としているか、嫌という程伝わってくる。逆も然りで、この一人娘は偉大な父にどれほど愛され大切にされたかも、「わかった、もうわかった!参りました!」というぐらい伝わってくる。ツーといえばカーな父娘。「お父さんのことが好きで好きで好きで仕方ない娘」という立場を微塵も隠さず披露している姿そのものに、何かじーんとしてしまう。その裏には、角さんの死後、本妻以外のお子様たちが、あちこちメディアで喋ったりそれぞれ本を上梓したりして喧伝されていることに我慢ならなかったんだろうという心理も見えてくる。

マッコさんは賢くサバサバした方だと思うが、しかしあの環境に生まれ、人が父親をあらゆる方法で利用してたかり、裏切り、また好きなように話を仕立てられ報道される立場では人間不信も極みに達するだろうし、「あなたが男だったら、、、」と言われ続けて育った人の内情は、他人にわからぬ深遠な複雑さを含むものだとわたしは思っている。また、これほど愛されて育った人に卑屈さが微塵もないのも当然のことで、その点は信用できる人だ。

また彼女の文章は、わたし特有の「共時共感性」スイッチを入れるようで、父娘描写のすべてに、「わたしも実際そこにいて、その光景を見ている感じ」を得た。それから「相手が誰でも特に臆することがない」など、いくつかの点で、自分の中にスケールはミニミニだがマッコさんと似た要素を認めることができるし、「、、、わかるわかる、それわかる」と思いながら読んだ。

ただ、言っても彼女もやはり「戦後教育」の中で育った人であり、いわゆる自虐史観というものの影響は免れない中で、現行の為政への批判はあっても国益と国防という点への言及は薄く、あくまで「お父さんと自分」という主題で父の素晴らしさを伝える意思に貫かれている。不審極まりないロッキード問題には言及がされているけれど、同じような構造を持つ「犠牲者」例えば中川昭一の件などには一切触れられていない。

この本が上梓されてから6年程度経った今、彼女が官房機密費の話を公にしたのは、どこまでの意図があったのだろう。そしてこれを読んだ今、すべての思い出の舞台となった自宅が「お線香」であることを改めて思うと居た堪れない気持ちになる。せめて今後の無事を祈る。

 

しかしながら読んでよかった。ものすごく遠くなってしまった昭和の、日本にも「血の通った人間による政治」があったこと、ガキンコ時代から田中派のわたしとしては、かっこいい角さんの姿をお嬢さんから聞けた気分で、やっぱ自分の目に狂いはなかったなと思うばかりだ。ただただ「幸せな父娘」、家族っていいな、と思った。マッコがマッコ然としていられるのは、なにより婿殿・直樹氏の器のデカさよ。「わたしと結婚したばかりにこんな辛い目に合わせて申し訳ない」と旦那に漏らした際のくだりは泣けた。

 

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