普段忘れてるだけで、「平戸」という地名を聞いたことない日本人いないと思う。
学校で初めて耳にした時から、妙に惹かれ続けていたその土地が、でも、実際どこにあるのかホント今回、出発1週間前まで知らなかった。したがって、それが島だということも、しかも結構でかいということも、行く直前になって知ってビビったんだよ(笑)
平戸NAVI様から地図を拝借。長崎からも、福岡からも等しく遠い上に、陸路しかない。でもって我々は、長崎から武雄経由の佐世保港(いかつい軍艦見た!)、からの平戸入りしたの。
子供ながらに惹かれていたのは「南蛮貿易」よ。だって取引されてたものが「派手で綺麗」だと思ったの。その時のことをちらっと先生が話しただけで、共時性?共感性?なんだか知らないけど、きらびやかに賑わう町の様子が手に取るようにわかった(変な子供)。ザビエルも本格的に布教を開始したのは平戸から。その後はポルトガルだけじゃなくて、スペイン、オランダ、イギリスなんかがボンボンやってきて、そりゃーもう大変な活気だったに違いない。人やモノが入ってきて、人やモノが出て行った場所よ。その美しい海の上ではいろんな策略がうごめいていたわけよね。
そんで、今回初めてよく考えたら、南蛮貿易以前から、ここは、諸外国にとって、この港こそが「日本」だったのよ。端っこだもん。「禅茶発祥の地」っていう碑があって、あっそうか!栄西は宋の時代の中国から平戸に着いたんだった。そんな時代には元寇だって攻めてきた。
要するに割とつい最近まで、いつでもてんやわんやしているようなところだったのよね。
そんな前置きはどうでも。
とにかく平戸にもたくさんの教会が点在しているのと、そこから少し足を伸ばせば「生月島」。柱状節理が1キロぐらい続く断崖、一目でいいから見てみたいと思っていたから念願叶ったの。いかに凄かったかは当日メモした通りで、ちょっと異次元だった。
それともう一つ、今回の巡礼のテーマは「オラショ」で、ラテン語oratioが日本語化された、隠れキリシタン独自の文化だけど、要するにカトリックのお祈りの言葉を、日本語(現地語)に混ぜたお念仏のようなもので、「おっさんがなんかブツブツ言ってるだけ」と見せかけて実はお祈りしてるという、すんごい知恵の凝縮されたもの。youtubeとかでいくつか見ることはできるんだけど、リアリティを感じたかった。
ちなみにこの記事「皆川達夫さんが語る隠れキリシタンの祈り「オラショ」 400年の時を超えて伝わる異国のグレゴリオ聖歌」の後半部分はぞっとするほどの発見だと思う。って、検索したら、えええええ!西本智美さんもこの島出身なの!!!というすごい驚き!
>>隠れキリシタン口伝の祈り歌「オラショ」原曲 今年もバチカン国際音楽祭のミサで披露
ドライバー黒崎さんはもちろんこの辺りの話にも詳しくて、彼自身もオラショを唱えることはできるようだけど、その古典的なかくれ時代のものはほぼ消滅しているとのこと。生月島にある「島の館」というところで流れていた録音を聴くにとどまった。
とにかく、前にも書いたけど、この柱状節理の断崖があまりにもパワフルで、身体感覚を大いに狂わせるというか、、、肉体だけでなく、情報(意識)領域にまで影響が及んで、この日の午後訪れた場所のデイテールはほとんど記憶に残っていないの。
変でしょう?どう考えても。こんなのが「マグマが冷えて固まった」なんて本気で信じられる人いる???
もう、この時点でわたしの関心は、地層に釘付けよ。だけど、この巨大な断崖を前に、これ以上の時間を過ごしたら、完全に頭おかしくなると思った。人間としての振動数を維持できないと感じたんだよ。少し怖かった。本能的な畏怖というか。。。
この写真見て!綺麗な「虹」になってる。可視光線というものがよくわかるよね〜。
で、この後、平戸島に戻り、巡礼アゲインだけど、道々のそこかしこが「殉教跡」。まともでいたらキツすぎる。だから少し頭ボーッとしてるぐらいでよかったんだと思う。夜は疲れて、温泉入って早々に激寝してしまった。
つくづく、人類の歴史とは殺人の歴史だと感じたし、今よりはるかに人の命は軽かった。人が支配する世界なんてそんなもの。
そんな時代の潮流の中で、翻弄され、生きるも地獄、死ぬも地獄。自殺は許されず、おとなしく殉教すれば天国に行けると信じこまされた人たちが、あの世で今何を思っているのか。それでよかった人もいたのだろうし、本当はそうでなかった人もいただろう。でも、一人残らず、満足していてほしいと心から願うばかり。そっとしておいてあげたい。
きらびやかな歴史の舞台だった平戸も、今は過疎地。横浜だって東京だって、いずれこうなるのかもしれないね、、、、な〜んて思った。
多くの教会はコロナを理由に門を閉ざしていた。いや、そもそも人なんか誰もいないのに、、、、と思ったw
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通り一遍じゃないことに興味がある人はこの辺を読むとわかることがあると思います。
みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 (特におすすめ)
さ、巡礼の話はここまでにして、そろそろ柱状節理の話をしたいぜ!
ほなまた!