聖女みたいな人がいる。
星愛美さん。
54歳で全国のストリップ劇場で踊る踊り子、つまりストリッパーさんなんだけど、
ヒョンなことから、というかただの偶然でついてたテレビ(ザ・ノンフィクション)でさっき知った。
魂ふるえた。
劇的な演出がないドキュメンタリーで、惹きつけられ、食い入るように見てしまい、涙出っぱなしだった。
そのうちネットにアップされるだろうから絶対に見るべきものだと思う。
前半、苦難に満ちた壮絶な人生の紹介から始まって、
この方は修行僧とか、修道女とか、まちがいなくそういう過去をお持ちだと思った。
それで今、生命の危機と常に隣り合わせでありながら、舞台に立ち、自らをさらけ出すことで
人々は彼女に純粋な神々しさを見出し、姿を見ては涙をこぼす。
そして同じように、明日をも知れない生命の人々の、生きる希望となっている。
究極の悲しみから究極の聖性を与えられた聖母マリアのようだった。
ストリップ小屋という薄暗い舞台の彼女は「洞窟の聖母」に見えた。
多分、舞台に集まる人々は、男性も女性も知らず知らずそういったものを感じているのだろう。
星さんと、その支持者たちとの交流、彼らに流れる涙が、もはや人知を超えたものだった。
いやー、こういうことを説明しようとすると陳腐になるのでこれ以上はやめとく。
とにかくものすごい、と感じた。
聖なるものは俗の極まるところに存在する。
芸事に神宿る。
それを体現している人だと思った。
そしてご本人は辛いだろう。
でも、もはや本人の意志を超えたものに動かされていることを、ご本人はなんとなく知っているのではないか、とも思わされた。
お役割から解き放たれたら、「いと高きところ」に行かれる方だと思った。
神が苦難とセットで聖性の鍵を渡した時代の、最後の使徒、のようなものではないか。
共感とも違う、尊敬とも違う、
けれど、とめどなく涙が溢れて止まらなかった。
「徳の高い人」という気がした。
知ってしまったからには、一度舞台を拝みに行きたい、それも早いうちに、と思った。
わたしのマリアさまを渡したい。
ほなまた